妊娠中に虫歯治療を受けるときの注意点と受診を避けたほうがいいタイミングを解説

      2025/12/20

こんにちは、綾瀬(葛飾区)の歯医者、メリー歯科です。

妊娠中は、つわりやホルモンバランスの変化で食生活や生活リズムが不規則になり、心身に負担を感じやすくなります。
また、虫歯や歯周病のリスクも高くなります。
今回は、妊娠中に虫歯治療を受ける際の注意点や受診を控えたほうがよいタイミングについて解説します。

 

妊娠中は虫歯ができやすい

妊娠中はホルモンの影響で唾液の分泌量が減り、口の中が乾燥しやすくなります。
唾液には口内の汚れを洗い流す清浄作用や、初期の虫歯を修復する再石灰化作用、細菌の活動を抑える抗菌作用、酸性に傾いた口内を中性に戻す緩衝作用などの働きがあるため、分泌量が減る妊娠中は虫歯が進行しやすくなります。
また、体調などが原因で歯磨きが十分にできなくなることも、妊娠中に虫歯のリスクが高まる要因です。

 

妊娠中の虫歯の胎児への影響

胎児の口の中には虫歯菌がなく、母体の虫歯が胎盤を通じて感染することもありません。
ただし、出産後には注意が必要です。
食器の共有や口移し、熱い食べ物を冷まして与える行為、キスなどによって、唾液を介して虫歯菌に感染することがあります。
そのため、出産前に虫歯を治療し、日頃からオーラルケアを丁寧に行っておくことは、赤ちゃんを虫歯から守るうえで重要です。
赤ちゃんとのスキンシップを制限するのではなく、まずは保護者の方がお口の健康を整えることで、赤ちゃんの口内健康も守っていきましょう。

 

虫歯治療による母体・胎児への影響

レントゲン

綾瀬(葛飾区)の歯医者、メリー歯科

妊娠中のレントゲン撮影を心配する方も多いですが、歯科医院で使用するレントゲン撮影での放射線量は少なく、撮影時には鉛入りの防護エプロンでお腹を覆うため、胎児への影響はほとんどありません。
また、歯科用レントゲンは口周辺だけを撮影するもので、胸や腹部に直接放射線が当たることはありません。
そのため、必要があれば妊娠中でも撮影可能です。
不安がある場合は、歯科医師に相談して応急処置や視診で対応できるか検討してもらいましょう。

 

麻酔

虫歯治療で使われる局所麻酔は、歯の周囲だけに作用するもので使用量も少ないため、母体や胎児への影響はほとんどありません。
一方で、笑気麻酔のようにガスを吸入する方法は妊娠初期には使用できない場合があります。
希望する場合は妊娠週数や体調を歯科医師に伝え、判断を仰ぐことが大切です。

 

薬剤

妊娠中でも、必要に応じて薬剤が処方されることがあります。
強い痛みや感染のリスクがある場合、薬を使わないほうが、母体や胎児に負担となるためです。
処方されるのは妊娠中の母体に配慮した薬で、量も調整されますが、必要に応じて産婦人科の主治医と連携して治療を進めることも可能です。

 

妊娠中の歯科医院受診タイミング

妊娠初期
妊娠初期は胎児の器官がつくられる大切な時期です。
さらに、この時期はつわりの影響で長時間口を開けたり横になったりするのがつらいこともあります。
そのため、虫歯治療などの処置は控え、応急処置で対応することがほとんどです。
ただし、強い痛みや膿、感染の広がりといった緊急性がある場合は、炎症を抑える処置などが行われることがあります。

妊娠中期
妊娠中期は体調が安定し、お腹のふくらみもまだ大きくないため、歯科治療に適した時期です。
長時間の治療にも耐えやすく、虫歯の削合や詰め物、かぶせ物の治療なども行うことができます。
この時期にしっかりと治療を済ませておくことで、妊娠後期や出産後の通院が難しくなるリスクを減らすこともできます。

妊娠後期
妊娠後期になるとお腹が大きくなり、長時間仰向けでいるのがつらくなります。
また、子宮の収縮が起こりやすく、強いストレスや体への負担は早産のリスクにつながることもあります。
そのため、緊急性の高い症状を除き、大がかりな治療は控えるのが基本です。

もしも治療が必要な場合は、体勢を工夫したり休憩を挟んだりして母体への負担を減らしながら進めます。
予約時に妊娠後期であることを伝えておくと、椅子の角度を調整したり横向きで治療を受けたりといった、負担の少ない状態での治療がスムーズに受けやすくなります。

 

妊娠中の受診で気を付けること

妊娠中に歯科医院を受診する際は、妊娠していることを歯科医師やスタッフに伝えるようにしましょう。
また、持病や服薬中の薬がある場合も事前に伝えるようにしてください。
服装はお腹を締めつけないゆったりしたものを選び、診療中に体勢がつらい場合は遠慮せず伝えましょう。

 

妊娠中のオーラルケアのポイント

磨き方を工夫する

妊娠中はホルモンの影響で歯ぐきが腫れやすく出血しやすくなるため、丁寧なオーラルケアが大切です。
ただし、つわりや体調の変化で歯磨きが負担になることもあるので、無理せず続けやすい方法を工夫しましょう。
具体的には、歯ブラシはヘッドが小さいものを選ぶと吐き気を抑えやすく、歯磨き粉は無香料や低刺激タイプに変えると負担が減ります。
どうしても磨けないときは、水やうがい薬で口をすすぐだけでも口内環境の維持につながります。

 

食生活を工夫する

妊娠中はつわりや体調の変化で食事の内容や回数が変わります。
食事の回数が多いと口内が酸性になる時間が長くなり、虫歯になりやすくなるため、食後はうがいや軽いブラッシングで口を清潔に保つことが大切です。
また、間食の内容にも注意が必要です。
砂糖を多く含むお菓子やジュースは虫歯のリスクが高いため、摂る場合はタイミングを決めてまとめるとよいでしょう。
妊娠中は唾液量が減りやすいため、水分をこまめに摂ることも重要です。

 

定期検診を受ける

妊娠中はホルモンの影響で歯ぐきが腫れやすく出血もしやすくなるうえ、虫歯のリスクも高まります。
そのため、症状がなくても定期的に歯科検診を受けることが大切です。
妊娠中は自宅での歯磨きだけでは落としきれない歯垢や歯石がたまりやすいため、歯科医院でのクリーニングは口内の健康維持に重要です。

 

まとめ

妊娠中は唾液量の減少やホルモンバランスの変化、つわりなどで虫歯や歯周病が進みやすくなります。
しかし、日々のオーラルケアや生活習慣の工夫によって、母体と胎児の健康を守りながら虫歯の予防や治療が可能です。
ムリのないケアを心がけ、歯科医師や産婦人科医と連携しながら口内環境を維持していきましょう。

 



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