歯ぎしり・食いしばり等
「歯のつめ物が頻繁に取れてしまう」
「知覚過敏で冷たいものが歯にしみる」
「朝起きると、歯が痛かったり、顎の筋肉が重かったりする」
このような経験をお持ちの方はいらっしゃいませんか?
もちろん、まったく別の原因で起こっているかもしれませんが、実は、歯ぎしりや食いしばりなどを含む、TCHが原因で上記のような症状が出ることもあります。
ですが、多くの方の場合は、ご自身の歯ぎしりや食いしばりに気が付いていらっしゃらないように思います。
メリー歯科に診察に来られる患者さんの中にも、お口を拝見すると明らかにTCHの兆候が見られる患者さんがたくさんいらっしゃいますが、それを指摘すると皆さん「えっ?私、食いしばってますか?」と驚かれます。
TCHの治療の一番のポイントは、まずはご自身にTCHがあるということを自覚すること。一生使うお口のためにも、悪い癖は早めに治しましょう。
このページの目次
TCHって何?
TCHとは、「Tooth Contacting Habit」の略で、日本語では「上下歯列接触癖」といいます。
「上下の歯が接 触している」と聞くと、「歯ぎしり」「食いしばり」だけを想像しがちですが、実は違います。
普段過ごしている時、お口の中はどういう状態でしょうか?お口を閉じて、上下の歯が接触していませんか?
実は、私たちが安静にしている時、お口の中は…
①唇を閉じて
②上下の歯は少し離れていて
③舌は上顎に触れていて
④鼻で呼吸している
という状態がベストなのです。
1日のうち、上下の歯が接する時間は約20分以下(1日3回の食事含む)で、それ以上接触している方はTCH があると言えます。
接触しているだけの方もいれば、ギリギリ…と口全体で歯ぎしりするタイプ、特定の部位だけで歯をきしませるタイプ、グッと食いしばりするタイプなどがあり、それらを総合してTCH(上下歯列接触癖)といいます。
TCHにはいろいろなタイプがあります。
1、歯ぎしり型
症状:歯ぎしり、歯のすり減り、詰め物がよく外れる、歯が染みる、エラが張る
2、噛みしめ型
症状:歯が割れる、肩こり、頭痛、詰め物が外れる、ストレスが溜まりやすい
3、きしませ型
症状:歯ぎしり、犬歯のすり減り、骨の隆起、歯の付け根のくぼみ、歯が染みる
4、混合型
症状:上記の数種類を複合して起きていると予想できます。
お口の中に、このような症状ありませんか?
骨隆起
噛みしめをする人の多くに、このような歯茎の隆起がみられます。
過度な力が加わり続けることによって、骨が盛り上がってコブができます(骨隆起)。
舌や頬の圧痕
TCHがあると舌や頬の内側に歯が強く押し当った痕ができます。
歯の破折
歯に圧力がかかるため、割れやすくなります。
くさび状欠損・知覚過敏
歯に大きな力が加わると、歯の根元がくさび状に削れていく”くさび状欠損”という症状を引き起こすことがあります。
また、歯の表面を守るエナメル質が欠損してしまうため、冷たいものがしみるなどの知覚過敏の症状も出てくることが多くあります。
その他、さまざまな悪影響を及ぼします
TCHの治療法
歯医者さんでの対応
マウスピースの作製
起きているときは意識して歯をくっつけないように努力できますが、寝ているときは難しいです。
そこで、歯医者でマウスピースを作製し、寝ているときに着けることによって、歯のすり減りや顎関節の痛みを軽減させます。
治療が必要な歯の治療
左右どちらかに悪い歯があると、その悪い歯をかばうために反対側の歯だけで食べるようになるので、反対側の歯に過度な力が加わり負担がかかってしまいます。
また、歯が弱っているところに更に歯ぎしりなどの負担がかかると、急速に症状が悪化することもあります。
以上のことから、悪い歯はキチンと治療し、全体的にバランスよく噛みやすい環境を整えることが必要です。
ご家庭での対応
①まずは、自覚をする
上下の歯が接触していることに自分で気が付くのが治療の第一歩。
例えば…お仕事中、お勉強中、お料理中など/ストレスを感じた時/PC、スマートフォンを触っている時、など
②歯を離す
歯が接触していることに気がづいたら、その都度“離す”よう意識する。
③気付く→離すのくり返し
①、②をくり返すことで、“歯を離す”という習慣を身につけ、“癖”を治していく。
深呼吸をすると、全身の力が抜けるのでおススメです!
普段目に入るところに“歯を離す”目印を作っておいて、1 日の行動パターンに組み込みましょう!