神経を抜いた歯の寿命はどのくらい?寿命を延ばす方法も解説
2025/06/20

こんにちは、綾瀬駅前の歯医者、メリー歯科です。
歯は、私たちが健康で快適な生活を送るために欠かせないものですが、虫歯や歯周病の進行により「歯の神経を抜く」という選択を迫られることもあります。
これは、残った歯を守り、痛みを取り除くために重要な処置ではありますが、同時に歯の寿命が短くなるというデメリットもはらんでいます。
そこで本日は、歯の神経の役割と、神経を抜いた後の歯を長持ちさせるための方法について解説します。
歯の神経の役割
栄養を運ぶ
歯の神経は、象牙質に栄養を届けるための重要な通路です。
神経と同じ空間には血管が走っており、ここを通じて酸素やカルシウム、ミネラルといった栄養素が歯に送られることで、歯は丈夫で健康的な状態を維持しています。
さらに、血流によって運ばれる酸素や水分は、歯の表面にツヤを与え、美しい見た目を保つ働きもしています。
感覚を伝える
歯の神経は、歯が受けた感覚を伝えるための役割も担っています。
虫歯などで痛みやしみる感覚を覚えると、それは神経を通じて脳に伝えられます。
このように感覚の伝達があることで、歯に異常が発生した際にいち早く気付くことができ、早めに対処することが可能になります。
歯を守る
歯の神経は歯そのものを守るための防波堤のような役割も果たしています。
例えば、虫歯の原因菌が歯の内部に侵入しようと試みる場合、神経はそれを感知し、免疫系と連携しながら防御を行うことで歯を守ります。
こうした神経の働きによって、歯は健康を維持することができています。
「歯の神経を抜く」とは

「歯の神経を抜く」とは、神経、血管、細胞が集まっている、歯髄と呼ばれる組織を除去する処置のことを意味します。
これは根管治療と呼ばれ、主に虫歯が深刻化して歯髄に達し、激しい痛みを伴う場合に行われます。
神経を除去すると、その部分の抵抗力が失われてしまうため、細菌の繁殖が起こりやすくなります。
それを防ぐために、根管治療では歯の内部の細かい部分までをきれいに清掃し、充填材料で密閉する処置が行われます。
神経を抜く治療が必要になるケース
重度の虫歯

虫歯が神経に達し、炎症を起こして激しい痛みが生じている場合には、神経を抜く治療が検討されます。
この状態を放置すると炎症がさらに広がり、周囲の歯や組織にも影響を与える可能性があるため、早期に治療を行う必要があります。
重度の知覚過敏

知覚過敏は、冷たい物や風に触れるとしみるような痛みを感じる状態ですが、通常は短時間で痛みが引きます。
しかし、重度のケースでは日常生活に支障をきたすほど痛みが続き、神経を抜く治療が必要になることもあります。
神経の壊死
細菌感染が進行した場合や、物理的な衝撃によって神経がダメージを受けた場合、神経は壊死に至ることがあります。
壊死した神経は腐敗し、口臭の原因となったり、歯の変色を引き起こしたりします。
この状態を放置すれば炎症がさらに拡大し、歯周組織にまで影響が及ぶことになるため、神経を抜く処置が検討されます。
神経の露出
骨折やひび割れが原因で神経が外部に露出した状態は細菌感染や炎症が発生する可能性があるため、そのようなリスクを未然に防ぐために神経を抜く治療を行うことがあります。
歯の保存を目的に、神経を取り除くことで感染を防ぎ、健康な口腔内環境を維持します。
神経を抜いた歯の寿命
神経を抜いた歯の寿命は一般的には10年程度ですが、条件次第では20〜30年になる場合もあります。
これは主に、きちんと治療を受け、その後のセルフケアやメンテナンスがきちんと行われている場合です。
神経を抜くことで歯は感覚を失い、栄養供給が途絶えますが、その後のケア次第では寿命を大幅に延ばすことができるのです。
反対に、セルフケアが不十分であったり、メンテナンスがおろそかになっていたりする場合は、10年がたっていなくても寿命が訪れます。
神経を抜いた歯の寿命が短くなる理由
虫歯に気付きにくくなる
神経を抜いた歯は、通常の歯に比べて感覚がなくなるため、問題があっても痛みを感じにくくなります。
そのため、虫歯や歯周病が進行しても気付きにくくなり、異常が発見される時にはすでに状態が悪化していることが多くなります。
栄養が供給されなくなる
神経を抜くことで、歯への血液供給が途絶え、栄養が届かなくなります。
その結果、歯の内部が脆弱化し、物理的な強度が低下します。
健康な歯は、血液による栄養供給で弾力性と強度を保持していますが、この仕組みが失われるため、歯は欠けやすくなり、食べ物をかんだ際などの負荷に耐える強さも低下します。
歯垢や歯石がたまりやすくなる
根管治療後にはかぶせ物や詰め物で歯の機能を補いますが、これらと天然歯の間に微細なすき間が生じることをゼロにはできません。
そのため、そこに汚れが溜まることで、虫歯や歯周病のリスクが高まってしまいます。
神経を抜いた歯の寿命を長持ちさせる方法
定期メンテナンスを受ける

定期的に歯科医院でメンテナンスを受けることは、神経を抜いた歯の寿命を延ばすために不可欠です。
数カ月ごとに口内のチェックやクリーニングを受けることで、歯の健康を長く維持することができます。
セルフケアを徹底する

毎日のセルフケアも重要です。歯ブラシはもちろん、歯間ブラシやデンタルフロスも使って汚れや歯垢を除去しましょう。
特に就寝前のケアは必須です。
生活習慣を見直す

生活習慣を見直すことも欠かせません。ストレスは過度の歯ぎしりや食いしばりを誘発するため、リラックスする時間や趣味を持つなど、ストレス管理に努めましょう。
歯ぎしりの習慣がある場合には、ナイトガードを歯科医院にて作成してもらい、夜間の歯への負担を軽減するようにしましょう。
また、食生活の改善も重要です。極端に硬い食べ物は避け、カルシウムやビタミンDなどを含む栄養素を十分に取ることで、歯や骨の健康を維持できます。
バランスの取れた食事を心がけましょう。
まとめ
神経を抜いた歯を長持ちさせるためには、日常のセルフケアと定期的な歯科医院でのメンテナンスが欠かせません。
日々、正しい方法でケアすることで、神経を抜いた歯の寿命を延ばせるようになります。
綾瀬駅前の歯医者さん メリー歯科:https://www.merrydental.net/
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