歯周病でも電子タバコなら吸って良い?害はないの?

   

こんにちは。綾瀬駅前のメリー歯科です。
「健康のために、タバコをやめて電子タバコにしました!」
最近ではこのような声もよく耳にするようになりました。

前回のブログでは、「喫煙が口腔内に及ぼす影響について」ご紹介させていただきましたが、中には、電子タバコなら害がないから吸ってもOK!と考えている方もいらっしゃるようです。
そこで本日は、電子タバコとお口の健康についてお話ししたいと思います。

 

電子タバコと、加熱式タバコは別物

一般的には良く「電子タバコ」という言葉が使われており、中には「加熱式タバコ」のことを「電子タバコ」と言っている方も見受けられますが、電子タバコと加熱式タバコは全くの別物で、明確な違いがあります。
加熱式タバコは、タバコ葉を使用しているためニコチンやタールが含まれますが、電子タバコはタバコ葉を使用しておらず、ニコチンやタールも含まれていないのが主な違いで、具体的には下記のような特徴があります。

 

加熱式タバコ

「加熱式タバコ」とは、タバコ葉を電力で加熱することで蒸気(エアロゾル)を発生させ、その蒸気を吸うための製品です。
従来の紙巻きタバコが、タバコ葉に直接火をつけることで煙を発生させ、その煙を吸引するものであるのに対し、加熱式タバコは煙が出ないために衣服などに臭いが付きにくく、また紙巻きタバコよりも有害成分が少ないと謳っていることから、紙巻きタバコから加熱式タバコに切り替える人も多くいるようです。

日本では2013年12月から販売が開始され、2016年ごろから急速に普及してきています。
代表的な製品としては、アイコス(iQOS)、グロー(glo)、プルーム・テック(Ploom TECH)などが挙げられます。

 

電子タバコ

「電子タバコ」とは、リキッドと呼ばれる液体を電力で加熱し、その蒸気を吸うための製品です。
電子タバコは「VAPE(べイプ)」とも呼ばれる製品で、加熱式タバコとは異なりタバコ葉を使用しないため、ニコチンやタールが含まれておらず(※)、タバコ独特の味や臭いがありません。
代わりにリキッドには様々な香りや味がありますので、気分によっていろいろな種類を楽しめるのが大きな特徴です。

リキッドの成分は主に、医薬品の基剤や食品添加物の成分として使われている「植物性グリセリン」と、医薬品や化粧品など幅広い用途で使われている「プロピレングリコール」が使用されおり、どちらも食品添加物としては安全性が高い物質とされています。
ニコチンを含まない電子タバコは、たばこ事業法の「たばこ製品」には当てはまらないため、法律上は未成年者への販売も可能ですが、業界団体が自主規制しているため20歳以上の人にしか販売されていません。

※電子タバコで使用されるリキッドにはニコチンが含まれているものもありますが、日本国内ではニコチンを含むリキッドの販売は医薬品医療機器等法(薬機法)にて禁止されています。

 

健康への害

加熱式タバコも電子タバコも、販売開始からの年月が浅いため健康影響についての研究は限られており、長期使用に伴う健康影響はまだ明らかになっていないのが実情です。
しかしながら、現段階でも下記のような健康への影響があることがわかっています。

 

加熱式タバコの健康への害

加熱式タバコは、紙巻きタバコに比べて有害成分が少ないと言っても、タバコ葉を使用していることに変わりはありません。
そのため、ニコチンやタールなど有害物質を摂取することになりますので、紙巻きタバコ同様、血流が悪くなったり、免疫力を下げて歯周病や虫歯リスクを高めてしまうリスクがあります。
また、加熱式タバコは副流煙がほとんど発生しないとされていますが、タバコを吸って吐き出した呼気にはニコチンなどの有害物質が含まれており、受動喫煙のリスクがなくなったわけではありません。
特に妊婦さんやお子さまへの影響は出やすいため、煙が出ないからと言って家族と一緒の部屋の中でタバコを吸うのは控えた方が良いでしょう。

 

電子タバコの健康への害

電子タバコは加熱式タバコと違い、タバコ葉を使用せず、ニコチンやタールも含まないため、口腔内への影響は少ないのではと考えられていました。
しかし、米ニューヨーク大学の研究チームが国際学術誌において発表した論文によると、電子タバコ利用者の口内には、歯周病を進行させる細菌の割合が非喫煙者に比べて高かったことが明らかになっており、時間とともに歯周病を悪化させる可能性があるとの報告がされています。
またその論文では、電子タバコ利用者の口内は、紙巻タバコ喫煙者よりは健康的ですが非喫煙者よりは健康的でない可能性があるとされ、紙タバコほどではないにしろ、口腔内にも悪い影響があることがわかりました。

また、リキッドの主成分である「植物性グリセリン」と「プロピレングリコール」は安全性が高い物質とされていますが、あくまで食品添加物として使用する分には安全性が高いとされているのであって、加熱して肺の奥に吸い込んだ時の安全性まで保証されているわけではありません。
アメリカでは、電子タバコによるものと疑われる肺疾患等の健康被害症例も報告されていますので、リスクをしっかり理解した上で使用する必要があります。

 

電子タバコにしたら歯が痛くなった!なぜ!?

「紙タバコをやめて電子タバコにしたら、歯茎が腫れてきた、歯が痛くなった。」
このような経験をした方もいらっしゃるかもしれません。
電子タバコに変えたと同時に歯茎が腫れたり、歯が痛くなったりしたら、電子タバコに何か悪い成分が含まれているんじゃないかと疑ってしまいますよね。
歯茎が腫れたり、歯が痛くなるというのは、典型的な歯周病の症状といえますが、この場合、電子タバコにより歯周病が悪化したというよりも、ニコチンによって抑えられていた歯周病の症状が表面化したものである可能性が高いです。

紙タバコに含まれるニコチンには血管収縮作用がありますが、この血管収縮作用は炎症を抑え、腫れや出血という症状を現れにくくする働きがあります。
つまり、歯周病になっていても症状が現れないため気が付きにくく、知らぬ間に進行してしまうのです。
紙タバコからニコチンの含まれていない電子タバコに変えることで、ニコチンの作用が切れてしまうため、今まで抑えられていた歯周病の症状が表面化されてしまいますが、これは今までも歯周病はあったにもかかわらず、ニコチンの作用で症状が表面化されていなかっただけで、歯茎の中で細菌の繁殖はどんどんと進んでいたのです。
これは、禁煙をしたときにも出る可能性のある症状ですが、禁煙して、歯茎が腫れたり歯が痛くなったからと言って、「やっぱりタバコを吸った方が良いのでは…」と自己判断するのはやめましょう。タバコが歯周病に有利に働くことはありません。
また、歯や歯茎の痛みの原因が別のものである可能性も捨てきれませんので、お口の中に違和感を感じたら、まずは歯科医師に相談してみるようにしましょう。

 



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