唾液の「質」を高めて免疫力アップ!唾液力の鍛え方

   

こんにちは。綾瀬駅前のメリー歯科です。

皆さん、唾液の役割として思い浮かべるはたらきには、どのようなものがありますでしょうか?
一般的に唾液の役割といえばまず、食べ物の消化を助ける「消化作用」を思い浮かべる方が多いと思います。
しかし唾液には、消化作用のみならず、他にもさまざまなはたらきがあります。

特に最近では新型コロナウイルス感染予防対策として、唾液に含まれる抗菌物質が注目されており、全身の免疫力を強化する「唾液力の向上」が課題として取り上げられるようにもなりました。
そこで本日は、唾液の持つさまざまな働きと唾液力を向上させるためのポイントについてご紹介したいと思います。

 

唾液の役割

唾液は、お口の中を潤して食べ物を食べやすくするだけではなく、スムーズな会話や全身の健康維持など、さまざまなところで無意識のうちに役立っています。

 

消化を助ける

唾液中に含まれる消化酵素「アミラーゼ」は、食べ物に含まれるでんぷんを「麦芽糖」という甘い糖に分解し、消化を助けてくれます。
よく噛んで食べることで食べ物の甘さをより強く感じることができます。

 

味を感じやすくする

私たちの舌には味蕾(みらい)という味成分をキャッチする組織があります。
味成分は食べ物から唾液の中に溶け込んで味蕾へと取り込まれていきますので、食べ物が唾液と混ざり合わないと、私たちは食べ物の本当の味を感じることができません。
また、味覚には、味わいを楽しむ役割だけでなく「食べ物が安全なのか?」を判断する大切な役割もあります。
極端にすっぱいものや苦いものを口に含んだとき、味覚がそれを毒物と判断すると、反射的に大量の唾液を出し、吐き出させようとします。このように、味を正しく判断することで身体を毒物から守る働きも担っています。

 

食べ物を飲み込みやすくする

唾液には食べ物を柔らかくし、さらに、口や食道を滑りやすくして食べ物を飲み込みやすくする働きがあります。
かたくパサパサしたものでも、よく噛んで唾液と混ぜ合わせることで、まとまって飲み込みやすい物性になります。

 

口の清潔を保つ(自浄作用)

唾液は、健康な成人で1日に1~1.5リットルも分泌されるといわれております。
この大量の唾液は、お口の中の口内細菌や食べ物のカスを洗い流す役割も担っており、これを自浄作用と呼んでいます。
自浄作用が落ちると、細菌が繁殖して虫歯や歯周病になりやすくなったり口臭がきつくなったりします。

 

虫歯リスクを軽減する(緩衝・再石灰化促進作用)

お口の中は食後、虫歯菌が流出する酸によって「酸性」になります。
お口の中が酸性に傾けば傾くほど虫歯リスクは高まりますが、唾液にはその酸を中和して中性に戻す働き(緩衝作用)があります。
さらに、カルシウムやリンなどのミネラルを豊富に含む唾液は、虫歯菌の酸によって溶けだしたエナメル質を修復する機能も備わっています。(再石灰化作用)
これら2つの働きで、唾液は私たちの歯を虫歯リスクから守ってくれています。
とはいえ、歯にプラークがたくさん付いていると唾液の中和作用は弱められますので、しっかり歯を磨いてお口の中を清潔にしておきましょう。

 

全身の健康を保つ

唾液には、ラクトフェリンや免疫グロブリン(IgA)をはじめ、リゾチーム、ペルオキシターゼなどの抗菌成分が含まれており、これらの抗菌成分が細菌の侵入から私たちの身体を守っています。
中でも最近、新型コロナウイルス重症化リスクを軽減させる可能性のある抗体として研究・注目されているのが、「免疫グロブリン(IgA)」という物質です。
免疫グロブリン(IgA)は、口内に侵入してきたウイルスや細菌などの異物に直接くっついて無力化し、排除してくれるほか、免疫機能の調節などの働きも担っている重要な抗菌物質ですが、日常的なストレスなど、些細なことで免疫グロブリン(IgA)の数は減ってしまいます。
コロナ禍の今こそ「唾液力」を高め、ウイルスに負けない身体つくりに取り組みましょう!

 

コロナに打ち勝つ!唾液に含まれる「免疫グロブリン(IgA)」とは

体内への悪い菌の侵入を防ぐシステムは、粘膜免疫と呼び、インフルエンザなど重症化しやすい病気の発症を予防していますが、それを担っている体表的な免疫物質が「免疫グロブリン(IgA)」です。
免疫グロブリン(IgA)は免疫物質の一種であり、唾液をはじめ、母乳、涙、鼻汁、腸内などに存在しており、口腔や腸管内やどの粘膜面で病原体の感染に対して防御しています。

免疫グロブリン(IgA)は、特定のウイルスや細菌だけに反応するのではなく、さまざまな種類の病原体に反応する守備範囲の広さが特徴で、IgAが低下すると風やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなることも研究からわかっております。
また、腸内に存在する免疫グロブリン(IgA)は、腸内で悪い細菌を除去する働きをして腸内環境のバランスを整えていますが、腸管と唾液腺はつながっているので、腸内環境がよいと免疫グロブリン(IgA)が唾液腺を通じて唾液に多く分泌され、感染症のリスクを軽減することができます。

免疫グロブリン(IgA)は大腸がんを引き起こす口内の悪玉菌をやっつける役割などもしており、見えないところで私たちの健康を支えています。

 

免疫グロブリン(IgA)量を増やすには?

免疫グロブリン(IgA)の量には個人差があり、IgAの分泌量が多い人はウイルスや細菌に感染しにくく、少なくなると感染しやすいことはこれまでの研究からも明らかになっています。
免疫グロブリン(IgA)の量は遺伝などにも影響されますが、生活習慣の影響を大きく受けます。
以下、免疫グロブリン(IgA)量を増やすために取り入れたい習慣をご紹介します。

 

軽いエクササイズや有酸素運動

いわゆるストレッチなどの軽いエクササイズ、有酸素運動によって、唾液中のIgA量を高められることが知られています。
特にストレッチは、血行をよくして体や脳の機能をリフレッシュさせることもできますので、免疫力向上に効果的です。5~10分ほどの軽いストレッチを毎日続けるのがよいでしょう。
逆に、激しい運動は免疫力を低下させますから、特に寒さや乾燥で感染症のリスクが高まる時期は控えましょう。

 

舌の体操で嚥下機能を強化

唾液量が減少する原因の一つに、加齢による嚥下機能の低下が挙げられます。
舌を動かす筋肉を日ごろからよく動かすようにすることで、加齢によって低下しがちな唾液腺の機能向上に役立ち、唾液量の減少を抑えることができます。
お口の周りの筋肉と舌の筋肉を鍛える「あいうべ体操」も日々の生活に取り入れながら習慣化してみましょう。

 

繊維質が豊富な食材を摂る

食物繊維は腸内で分解されるときに腸管を刺激して腸内の免疫力を高める効果があり、同時に唾液腺にIgAの分泌シグナルを送ることで唾液中に含まれるIgAを増やす作用があります。
根菜、芋類、きのこなどの食物繊維の豊富な食材を積極的に摂取しましょう。

 

牛乳、ヨーグルトなどの乳製品を摂る

牛乳、ヨーグルトなどの乳製品には唾液の分泌を促して、IgAの濃度を高める作用があります。
なかでも特定のヨーグルトは毎日100g程度を食べることで、唾液中のIgAの含有量が増えるというデータもあります。
さらに乳酸菌によって腸内環境が整うことで、唾液腺が刺激されて口内のIgAが増えるというよい循環も期待できます。

 

緑茶をぬるめのお湯で抽出して飲む

緑茶に含まれる「エピガロカテキン」というカテキンには、唾液中のIgAを調整して免疫力を高める働きもあります。
ただし、エピガロカテキンは熱いお湯で抽出すると減少してしまうので、60℃以下のぬるめのお湯で淹れると効率よく摂取することができます。
こまめに水分補給をすることで唾液の量も増やすことができます。

 

まとめ

自粛期間が続き何かとストレスが溜まってしまう昨今ではありますが、唾液腺は自律神経により支配されているため、ストレスを避けてリラックスした生活を送ることも大切です。
また、常にマスクをしている状態だとどうしても息がしにくくなってしまうため、口呼吸になりやすくなり、虫歯や歯周病、口臭といったお口のトラブルを招きがちです。
お口と体の健康を守るためにも、歯科医院を上手に活用しながらコロナ禍を乗り切りましょう!

 



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